狭小地でも安全に建築作業や点検を行う方法はあるのかと、お悩みの方はいらっしゃいませんか？足場設置が難しい狭小地でも、特殊な足場を駆使すれば作業は可能です。今回は狭小地での足場の組み方や狭小地で活用できる特殊な足場の種類について詳しくご紹介します。
狭小地で足場を組むことは可能
一般的な足場の仮設には70㎝必要
もちろん、足場の広さはなるべく広い方が安全に施工しやすいです。しかし、塗装などの外装工事時には、狭い敷地でも足場を組まなければいけない場合があります。
通常、仮設される足場の幅は70cmのスペースが必要です。実際の足場の最低の幅は約60㎝で、足を載せる踏板の幅が40㎝、固定する支柱がそれぞれ10㎝必要で、これらに組み立てるためのスペースを足すと、70㎝以上必要になるからです。
70㎝未満の場合は狭小地用の足場を使う
外装工事における足場設置には、40cmの踏板だけでなく、25cmや15cmの幅のものもあります。これらを組み合わせることで、70cmのスペースがなくても足場を設置できます。特に、狭小地向けのセンタータイプ足場は、支柱が25cmや15cmの中心を通るように設計されており、30cm前後のスペースで設置可能です。
さらに、単管足場と呼ばれる方法もあります。鉄パイプと金具を組み合わせ、ボルトで接合する方法で、30cm以上のスペースで設置できます。ただし、パイプ上に足を載せるため、滑りやすく、現在では安全性と作業性を考慮し、狭小地向けの足場が主流です。
50㎝以上の広さがないなら隣の家の敷地を借りるのも手
30cm未満のスペースで足場を設置する場合、隣の家の敷地を借りるのが現実的です。丁寧に相談すれば、快く貸してくれる場合がほとんどです。法律でも、使用許可を取れば借りることができると定められています。なかにはガーデニングなどをしていて、敷地に足場をかけるのに抵抗がある方もいらっしゃいますが、空中で超境してくる場合は構わないという方も多いです。一度相談してみるとよいでしょう。
狭小地での足場設置の注意点
狭小地での足場設置には、隣近所への配慮が必要です。狭小地では隣家との距離が近いので少しの騒音や振動でもトラブルになりやすいため、工事前には隣近所への挨拶を忘れずに行いましょう。
また、足場設置時には隣の壁や車などに損傷を与えないように注意が必要です。メッシュシートで覆い、養生しなければいけません。特に足場の組み立てや解体時には慎重に作業し、周囲への被害を防ぐことが必要です。
狭小地で安全に足場を設置するには、ご近所への挨拶と安全で信頼できる足場架設をしてくれる業者に依頼することが重要なのです。
足場を組むのが難しい狭小地でも使える足場とは？
狭小地では一側足場を活用
狭小地での建築作業では、従来の二側足場を設置するにはスペースが足りないことが多々あります。このような場合に選択されるのが一側足場です。一側足場は、建地の片側だけにブラケット等を取り付け、その上に足場板を敷き詰める方法で、狭小地でも足場を組むことが可能になります。しかし、片側にしか支柱がないため、強度には注意が必要です。特に住宅建築では、転落や足場自体の転倒リスクを考慮し、狭小地以外では使用を避けるのが一般的です。
一側足場の種類
くさび緊結式足場
くさび緊結式足場は、一定間隔に緊結部を備えた鋼管を使用し、くさびという金具を用いて手摺や筋交などを固定する方法です。この種類の足場は、狭小地での使用に適しており、組み立てや解体が比較的容易な点が特徴です。しかし、安全管理には特に注意が必要で、足場の強度や耐荷重の限界を正確に理解し、適切な使用が求められます。
ブラケット付き一側足場
ブラケット付き一側足場は、狭いスペースや軽作業用として活用される足場です。この足場は、建地布板、緊結金具、継手金具、ブラケット、ベース金具、壁つなぎ等で構成され、設置できる場所が限られているため、特に狭小地での使用に適しています。ブラケットの使用により、作業スペースを確保しつつ、安全性を高めることができます。
単管ブラケット一側足場
単管ブラケット一側足場は、伸縮ブラケットを単管に取り付けることで、狭小地でも柔軟に対応可能な足場です。労働安全衛生規則に基づいた設置基準があり、足場の脚部には滑動や沈下を防止するためのベース金具の使用や、適切な建地の設置間隔の確保が必要です。この種類の足場は、設置や解体の際に高い安全性が求められるため、専門的な知識と技術が不可欠です。
これらの足場は、狭小地での建築作業において重要な役割を果たします。適切な種類の足場を選択し、安全規則に従いながら使用することで、作業の効率化と安全性の向上が期待できます。
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