次世代足場とは?その特徴やメリット・デメリット等もご紹介いたします!

足場は高所作業に不可欠な設備であり、強度や作業効率などを考慮し、適切なものを設置する必要があります。従来からさまざまな種類の足場が使われてきましたが、近年では「次世代足場」と呼ばれる新しいタイプの足場も登場し、現場で普及しています。次世代足場は、従来の足場とどう違うのでしょうか?以下では、その特徴や違い、メリット・デメリットについて解説します。

次世代足場とは?

 

次世代足場とは、現行の枠組足場、くさび緊結式足場、単管足場などを、安全性、施工性、管理面から全面的に見直した新規格の足場です。この新しい足場の背景には、建設現場の環境変化があります。

 

主な変化の一つは作業員の身長増加です。枠組足場が導入された半世紀前に比べ、成人男性の平均身長が約10cm伸び、ヘルメットや安全靴を着用するとさらに高くなります。そのため、従来型の足場では多くの作業員が腰をかがめて作業する必要が生じています。

 

さらに、足場作業の安全基準も年々厳しくなっています。2009年と2015年の労働安全衛生規則改正により、足場の墜落防止措置などが強化されました。従来型の足場でこれらに対応するには新たな部材が必要で、施工の手間やコストが増大します。

 

次世代足場は、追加部材なしで安全基準を満たし、快適な作業環境を提供します。現在は普及段階ですが、今後のシェア拡大が期待されています。

次世代足場の特徴

多くの工事現場で使用される従来の足場では、作業員はヘルメットや安全靴を着用するため、常に背を低くして作業しなければなりませんでした。さらに、墜落・転落防止のために労働安全衛生規則が改正され、足場作業の安全基準が大幅に引き上げられました。

 

次世代足場は、くさび式足場のシステムを採用し、先行手摺が標準装備されています。階高が1800mm〜1900mmと広く設定されており、作業空間が広く取れるのが特徴です。また、緊結部には抜け防止の処理が施されているため、より安全に作業を行えます。さらに、次世代足場は梱包性が高いため、保管や運搬の効率が良くなり、保管スペースや運搬コストの削減にも繋がります。

 

次世代足場のメリット

足場の空間が広いため、作業効率が高まる

次世代足場の大きなメリットの一つは作業のしやすさです。階高が180cmから190cmあるため、足場内の空間が従来の足場より広く、身長170cm以上の作業員でも快適に作業ができます。これにより作業効率が向上し、工程をスムーズに進めることができます。無理な体勢での作業が不要になるため、安全性も向上します。

 

さらに、2024年4月から建設業における時間外労働の上限規制が罰則付きで導入されます。これにより、従来のような長時間労働が難しくなり、業務効率化による労働時間削減が求められます。次世代足場を採用することで作業効率が向上し、労働時間の削減に大きく寄与するでしょう。

先行手すりにより、高い安全性を確保している

次世代足場の最大のメリットは、従来型足場に比べて安全性が非常に高いことです。従来の足場では、最上段に手すりがなく、作業中に大きな危険を伴っていました。

 

しかし、次世代足場は手すり先行工法が基本となっているため、最上段でも常に手すりに囲まれた状態で作業ができます。これにより、墜落・転落の危険性が大幅に軽減され、安全に作業を進めることができます。厚生労働省も手すり先行工法を推奨し、その普及のためのガイドラインを策定しています。

 

建設業における労働災害の内訳を見ると、墜落・転落事故が最も多く、全体の30%~40%を占めています。労働災害を防ぐためには、墜落・転落しにくい足場の採用が必須です。次世代足場は、この要求を満たす足場なのです。

 

床の隙間がなく、安全な作業が可能

安全性に関わるもう一つのメリットとして、床の隙間がないことが挙げられます。以前から足場の床には「床材間の隙間は3cm以下」「床材の幅は40cm以上」という規定がありました。2015年の労働安全衛生規則の改正では、「床材と建地(支柱)との隙間は12cm未満」というルールが追加されました。

 

この新ルールにより、足場の床にはほとんど隙間を作ってはいけなくなりました。従来型の足場では、新しい規定に対応するために追加の安全部材を取り付ける必要がある場合が多くあります。

 

しかし、次世代足場は最初からこの規定に基づいて設計されているため、追加部材なしで隙間のほとんどない床を作ることができます。その結果、墜落、つまずき、物の落下といった事故が発生しにくくなり、安全に作業ができるのです。

保管・運搬効率が良い

次世代足場は、従来の足場に比べて部材が軽量でコンパクトに設計されています。部材の種類も少なくなり、組み立てや解体の手順も簡略化されているため、作業効率が非常に高いのが特徴です。

 

さらに、コンパクトな部材は保管スペースを節約し、トラックによる運搬回数も減少するため、コスト削減にもつながります。また、組立時に大きな音が出ないため、騒音対策の負担も軽減されます

次世代足場のデメリット

許容荷重を増やすための補強材が必要

 

次世代足場は、枠組足場と比較すると部材単体の許容荷重が低くなっています。しかし、専用の補強材を使用して組み立てることで、許容荷重を増加させることが可能です。ただし、補強材の使用により施工の手間が増える点は注意が必要です。

メーカーごとに規格が異なり、互換性がない

各メーカーが販売する次世代足場には、メーカーごとに異なる規格があるため、互換性がありません。そのため、専用部材を揃える必要があり、初期費用が高くなる傾向があります。

 

まとめ

 

次世代足場には多くのメリットがあります。これから多くの現場で次世代足場に切り替わることで、足場工事の安全性が向上し、作業効率が向上して生産性も向上すると期待されます。

吉田建設の仮設足場工事は、単に作業をこなすだけではなく、建設現場に潜むリスクにも深く配慮しています。例えば、職人たちの円滑なコミュニケーションを促進するためにトランシーバーを活用し、具体的で独自の安全対策を実施しています。

 

安全対策は形式的なものではなく、実際に感じられる安全性が重要です。その点においても、吉田建設は自信をもって現場に臨んでいます。

 

足場工事でお困りの際はぜひ吉田建設にご相談ください。

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