株式会社吉田建設

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コラム

工場の足場の基本から種類、安全対策、設置手順まで完全ガイド

工場での高所作業やメンテナンス作業を行う際、安全かつ効率的に進めるために欠かせないのが「足場」の存在です。足場は、単なる作業用の仮設構造物ではなく、現場の安全性や作業品質に大きく関わる重要な設備です。

本記事では、工場における足場の役割や種類、安全対策、設置方法、そして関連法令まで、わかりやすく解説します。

「安全第一」の工場運営のために、足場について正しく知ることが非常に重要です。

 

工場の足場とは?基本的な役割と必要性をやさしく解説

この章では、工場で足場がなぜ必要なのか、その基本的な役割について解説します。

 

高所作業を安全に行うために必要

工場では、高さのある設備や構造物の点検・整備・塗装作業が頻繁に行われます。こうした高所作業には、安全な作業床が必要であり、足場がその役割を担っています。

労働安全衛生法においても、高所での作業には足場の設置が義務づけられており、墜落・転落事故を防ぐために非常に重要です。

仮に足場を使わずに作業を行った場合、労働災害のリスクが格段に高まるため、法的にも現場の安全確保の観点からも欠かせない存在といえます。

 

作業効率を高めるために使われている

足場があることで、作業員が安定した体勢で作業を行えるため、無駄な動きが減り、作業スピードが向上します。特に重い工具や部材を使う場面では、足場の有無が効率性に大きく影響します。

また、複数人での同時作業も可能になるため、足場は単なる安全対策だけでなく、作業効率の最大化にも寄与します。

 

工場内の特殊な構造に対応するための足場もある

工場の中には、大型設備、タンク、配管が入り組んだ場所など、特殊な構造を持つエリアがあります。こうした場所では、通常の足場では対応できないことも多いため、特別な設計を施した足場が必要になります。

例えば、狭所用足場や吊り足場、可動式の足場などがあり、現場の状況に応じて使い分けがされます。現場のニーズに応じた柔軟な足場選定が、安全でスムーズな作業に直結します。

 

工場の足場の主な種類とそれぞれの特徴

工場で使われる足場にはさまざまな種類があり、作業内容や現場環境に応じて適切なタイプを選ぶ必要があります。

 

単管足場|コストを抑えたい現場向け

単管足場は、鉄パイプ(単管)を組み合わせて構成される足場で、比較的安価に設置できるのが特徴です。工場のちょっとしたメンテナンスや仮設的な作業スペースに向いています。

ただし、強度や安定性では他の足場に比べて劣るため、高所作業や長期間の設置には適していません。

 

枠組足場|一般的な工場でも多く使われている

枠組足場は、工場でもっとも多く使用される足場の一つです。組み立てが比較的簡単で、一定の強度と安定性があるため、あらゆる工場現場で活用されています。

厚生労働省でも、枠組足場を標準的な足場として多くのガイドラインで推奨しています。

 

吊り足場|地面が使えない場所で活躍する

吊り足場は、天井や梁(はり)などから足場を吊り下げて設置する方式です。地面に足場を置けないような場所や、水槽・タンクの上部作業などで使われます。

設置には専門的な知識と高い技術が求められるため、経験豊富な業者に依頼することが重要です。

 

移動式足場(ローリングタワー)|狭い工場でも柔軟に使える

ローリングタワーは、キャスターが付いた足場で、作業場所に応じて簡単に移動できます。天井の配線作業や短時間の点検に適しており、軽作業に便利です。

ただし、移動時の安全確認が不十分だと転倒事故につながるリスクもあるため、必ず固定装置を使用し、点検を怠らないようにしましょう。

 

次世代足場(IQシステム足場など)|安全性と効率を両立できる

次世代足場とは、従来の足場に比べて安全性・作業効率を向上させた新型足場のことを指します。IQシステム足場やアルバトロス足場などが代表例です。

部材が軽量かつ組立も効率的に行えるため、作業時間を短縮できるメリットがあります。安全性も高く、現場での事故防止に貢献します。

 

工場の足場の設置手順と準備するもの

足場の設置は、安全性を確保するために、しっかりとした手順と準備が求められます。以下の工程を踏むことで、事故のリスクを大きく減らすことができます。

事前に現地調査を行う

足場の設置前に、まず必要なのが現地調査です。工場内の構造や作業範囲、高さ、障害物の有無などを細かくチェックします。これにより、使用する足場の種類や部材の数、安全対策の内容が決まります。

現地調査は、安全で無駄のない足場設計のために欠かせないステップです。

 

設計図を作成して施工計画を立てる

調査結果をもとに、足場の設計図を作成します。この図面には、足場の配置・高さ・必要な手すりやネットの位置などが明記されます。さらに、設置から解体までの施工計画も作成します。

特に、作業員の動線や非常時の避難経路など、安全に配慮した設計が求められます。

 

必要な部材や工具を準備する

設計に基づき、単管、ジャッキベース、クランプ、踏板などの足場部材や、ハンマー、インパクトドライバーなどの工具を準備します。不足があると作業が中断され、工期遅延や事故の原因にもなりかねません。

点検済みで破損のない部材を使用することが、事故防止に直結します。

 

有資格者が足場を組み立てる

足場の組み立ては、原則として「足場の組立て等作業主任者」などの有資格者が行う必要があります。高さ5メートル以上の足場では、主任者が常駐し、作業全体の安全を管理する必要があります。

資格を持たない作業員が独断で作業することは、労働安全衛生法違反となります。

 

完成後に安全点検を行う

足場の組み立てが完了したら、すぐに使用を開始するのではなく、安全点検を行います。点検項目には、接続部の緩み、手すりの設置状況、転落防止措置、足場の水平・垂直の精度などがあります。

問題があれば、使用前に必ず是正し、安全が確認された後に初めて作業を開始します。

 

工場の足場を使うときの安全対策とは?

足場は、正しく設置しても、その使用中に事故が起こる可能性があります。この章では、工場で足場を使用する際の主な安全対策について解説します。

 

足場の強度や安定性を確認する

足場は風や振動、重さに耐えられるよう、十分な強度が求められます。特に高所での作業時には、地震や突風による倒壊リスクを減らすため、基礎の固定や補強が重要です。

使用前・作業中に定期的な点検を実施することで、事故を未然に防げます。

 

落下防止のための手すりやネットを設置する

足場からの墜落事故を防ぐには、適切な手すりの設置が不可欠です。足場の外周や開口部には、手すりや中桟(中間手すり)を設け、万が一の転倒に備えます。

また、作業者の工具や部品が落下しないように、安全ネットの設置も重要です。

 

作業前にKY(危険予知)活動を行う

作業前のミーティングで「この作業にはどんな危険があるか?」をチームで話し合うKY活動(危険予知活動)は、安全管理において非常に有効です。具体的なリスクを洗い出し、対策を共有することで事故を防止します。

現場の声を活かしたリアルなリスク対策が、事故ゼロの現場を実現します。

 

安全帯やヘルメットなどの保護具を着用する

高所作業では、墜落時の被害を軽減するために、安全帯(フルハーネス型)やヘルメットの着用が義務付けられています。特に2019年の法改正以降、一定以上の高さでの作業ではフルハーネスが必須となりました。

また、安全靴、手袋などの保護具も、落下・挟まれ事故のリスクを大幅に軽減します。

 

天候や工場内の環境を考慮する

風が強い日や雨天時の足場作業は、滑りや倒壊などのリスクが高まります。また、工場内の換気や温度条件によっても作業環境は大きく変わるため、常に環境を考慮した上で作業を行う必要があります。

必要に応じて作業を中止する判断も、現場の安全を守る大切な行動です。

 

工場の足場に関係する法律やルールを知っておこう

足場の設置・使用には、労働安全衛生法を中心とした法律の遵守が必須です。この章では、工場足場に関係する主なルールを紹介します。

 

労働安全衛生法に基づいた基準がある

日本の建設・工場現場では、労働安全衛生法が安全基準を定めており、足場についても多くの規定があります。たとえば、高さ2メートル以上の作業には墜落防止措置が必要です。

違反があった場合、企業や管理者に対して行政指導や罰則が科されることもあります。

 

足場の組み立て・解体は特別教育を受けた人だけが行える

労働安全衛生規則第36条により、足場の組立・解体作業を行う作業員は、「足場の組立て等特別教育」を修了している必要があります。この教育を受けていない者が作業に従事すると、法令違反となります。

 

高さ5メートル以上では足場の作業主任者が必要

高さが5メートルを超える足場では、「足場の組立て等作業主任者」が選任され、その場に立ち会って指揮を取る必要があります。この主任者は、安全を確保するための監視や点検も行います。

 

定期点検や記録の保存が義務付けられている

足場の安全を維持するため、使用中は毎日点検を行い、その結果を記録する義務があります。特に、異常があった場合には使用を停止し、速やかに修理・改善措置を講じなければなりません。

点検記録の保存は、監査や事故発生時の証明にも役立ちます。

 

工場の足場の点検とメンテナンスのポイント

足場は設置すれば終わりではなく、使用中にも定期的な点検とメンテナンスが必要です。ここでは、その重要なポイントを紹介します。

 

毎日の使用前点検が大切

足場は日々の作業で揺れや負荷がかかるため、使用前には必ず点検を行いましょう。特に、踏板のガタつき、クランプの緩み、転落防止設備の確認は基本です。

点検は作業前に行い、不具合が見つかればすぐに使用を中止する判断が重要です。

 

部材の劣化や損傷を見逃さない

足場は金属部材を使っていても、サビや変形などの劣化が進むことがあります。特に、屋外と接続している工場では、湿気や気温差で傷みやすくなります。

破損部材をそのまま使うと、崩落事故の原因になります。使用中はもちろん、保管時にも劣化の兆候がないかチェックしましょう。

 

台風や地震後は特に点検が必要

自然災害の後には、足場の一部がズレたり、固定が外れている場合があります。たとえ見た目に問題がなくても、構造内部に異常がある可能性があるため、必ず点検を行いましょう。

大きな揺れや風の後には「点検 → 使用可否の判断」が基本です。

 

点検記録を残すことでトラブルを防げる

点検を「したつもり」では不十分です。誰が、いつ、どの場所を点検したのかを明記した記録を残しておくことで、万が一トラブルが発生した際の証明や原因特定に役立ちます。

点検記録は紙でもデジタルでも良いので、必ず保存し、誰でも確認できる状態にしておきましょう。

 

工場の足場のよくあるトラブルとその防ぎ方

足場に関するトラブルは、準備不足や確認不足によって起こることが多いです。ここでは、工場で実際によくあるトラブルと、その予防策を紹介します。

 

部材の不足や不備

足場の組み立てに必要な部材が足りない、あるいは不良品だった場合、作業の遅延だけでなく安全リスクにもつながります。特に部材の欠品は、現場を止める大きな要因となります。

事前の資材リスト作成と、信頼できる業者からの調達がトラブル回避に効果的です。

 

足場のぐらつきや崩れ

仮設足場は、十分に固定されていないと、人が上がった際に揺れたり、最悪の場合は倒れることもあります。これは重大な事故に直結するため、絶対に避けなければなりません。

組み立て時にはジャッキベースや筋交いで安定性を確保し、必ず使用前に耐震・耐風チェックを行いましょう。

 

作業員の転落事故

足場からの転落事故は、建設・工場業界で最も多い事故原因の一つです。これは、手すりの未設置、安全帯未使用、不安定な足場の使用などが主な要因です。

「安全装備の義務化」と「使い方の教育」を徹底することで、命を守ることができます。

 

工場内の機械や設備にぶつかる

足場を設置する際、周囲の機械や配管を損傷する事故もあります。特に、狭い通路や天井付近の配線が密集した場所では、事前の位置確認が必須です。

図面を用いた事前シミュレーションや、現地の寸法確認を入念に行うことで防げます。

 

工場の足場の選び方と業者に依頼する際の注意点

足場は設置する環境に適したものを選ぶ必要があります。また、安全でスムーズな施工を行うには、業者選びも非常に重要です。

 

工場の構造や作業内容に合った足場を選ぶ

工場によって、天井の高さ、設備の配置、作業する工程などが異なるため、それに合った足場を選ぶ必要があります。例えば、メンテナンスが頻繁にある場所には移動式足場、配管上部の作業には吊り足場などが適しています。

汎用的な足場では対応しきれないケースがあるため、状況に応じた設計が不可欠です。

 

足場の実績がある専門業者に依頼する

足場の設計・施工は、専門的な知識と経験が必要です。とくに工場内は特殊な作業環境が多いため、経験豊富な業者であることが非常に重要です。

過去の実績や施工事例を確認し、安全管理体制が整っているかを見極めましょう。

 

見積もり内容と施工スケジュールを確認する

足場工事では、見積もりの明細が不透明な場合や、後から追加費用が発生することもあります。必ず事前に詳細な見積書を確認し、施工期間や作業時間帯などのスケジュールもすり合わせましょう。

工程のズレが工場の稼働に影響しないよう、計画段階で細かく調整が必要です。

 

施工後の安全管理やアフター対応も重視する

足場は施工した後も、使用中の安全管理や万が一のトラブル対応が求められます。足場業者が点検や緊急対応に柔軟に応じられる体制であるかを確認しましょう。

良い業者は、施工後も丁寧な対応をしてくれるため、信頼関係が築きやすくなります。

 

まとめ|工場の足場の種類・設置・安全対策までしっかり理解しよう

工場における足場の役割は、「作業の効率化」だけでなく、「作業員の命を守る安全設備」としての側面が非常に強いです。現地調査から設計、設置、点検、安全対策まで、すべての工程を丁寧に行うことで、事故を未然に防ぐことができます。

また、足場には種類があり、工場の構造や用途に応じて選ぶ必要があります。法律やルールも厳しく定められているため、適切な知識と信頼できる専門業者の協力が不可欠です。

本記事で紹介したポイントを参考に、安全で効率的な足場運用を実現してください。

 

ビル・マンションの足場工事なら、吉田建設にお任せください

今回の記事では、工場における足場の基本について皆様にご紹介をしました。記事を読んで、マンション、ビルなどの修繕を検討している企業様もいらっしゃるかと思います。

足場工事なら、私たち株式会社吉田建設にお任せください。

私たち吉田建設は創業当時より「公明正大」を社是にしており、お客様だけでなく、自分自身も「公明正大」で居続けています。形だけの安全ではなく、心から感じられる安全を提供します。また、高層ビル、高層マンション、植物園での仮設足場の施工など、様々なパターンでの施工実績があり、その数は豊富です。

さらに、吉田建設では足場工事の申請業務を元請けの代わりに代行して行い、道路使用の申請、電線の防護管設置依頼も代行することで、多くのお客様からご好評をいただいております。

 

ぜひ、一度下記リンクからお見積り・ご相談をしてみてください。

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